外飼いのワンちゃんが少なくなったのはなぜか?答えは「時代の流れ」

外飼いのワンちゃんが少なくなったのはなぜか?答えは「時代の流れ」

昔と今ではペットの飼い方もだいぶ変化してきました。

あれ、そういえば昔は外に繋がれたワンちゃんたくさんいたよなぁ・・・

と、ふと思ったことはありませんか?

その答えは「時代の変化」でした。

ペットに対する考え方や環境違い。それらはいつ頃から変化がみえ、何が違うのかをまとめた記事です。

ペットブームが起きた時期などを時系列で紹介し、外飼いの真相に迫ります!

ペットではなく、「野犬」から「番犬」だった犬たち。

江戸時代前後の頃、犬と言えば「野犬」が多く、人に危害を加えたり、農作物を荒らし人間から邪険にされてきました。

昭和の時代になると犬は「番犬」とし、不審者から家を守る為に庭先に繋がれて飼われている犬がたくさんいました。

昔は今みたいに様々な犬種は主流にはなっていません。今でいう柴犬が日本犬として親しまれていました。

昔は外飼いが当たり前だった!

昔は玄関先や庭先前に三角の屋根のミニチュワハウスの形をしたものを犬小屋とし、リードを柱などに括り付けて生活をさせていました。

その為、時折脱走する犬もいたことでしょう。

家族以外の人や不審者を見たら吠えて追い払う為の役割をしていた犬がほとんどでした。

おとちゃん
今でいう防犯ですね(笑)
四季問わず散歩以外はほとんどが繋がれて過ごすため、飼い主さんとのスキンシップの機会は多くはなかったと思います。
それよりも警戒して吠えることで飼い主に危険を知らせるのが優秀と見られていました。
ご飯を食べる前は「マテ」「オテ」など服従させたり、悪いことをしたら叩いたり、押さえつけて教えることが「しつけ」とされ、それがその当時の人からすれば当たり前の事であり、虐待という感覚にはならなかったと思います。

「狂犬病」問題が話題になった時代。

犬を家の中で飼うことが衛生面的にもあまりよく思われていなかった事も理由の一つだったと思います。

犬の病原菌の中で最も恐れられていた「狂犬病」

狂犬病予防法が制定される1950年以前、日本国内では多くの犬が狂犬病と診断された事例がありました。
人も狂犬病に感染し、死亡していました。

狂犬病とは


狂犬病ウイルスを保有する犬、猫、コウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりした傷口からウイルスが感染し、症状が出ます。
症状は様々ですが、最悪死に繋がる病気です。
※日本では現在、「狂犬病予防接種」は毎年義務付けられており、発生もありません。
しかしながら世界では、発生している国もある為、万が一に備えての予防接種は大切です!

今では狂犬病という言葉も犬を飼っている人ならば常識的に知る人も多いですが、昔は聞いたこともない病原菌を聞いただけでも恐れていたと思います。
そんなこともあり、「犬を家の中で飼うのは汚い」「不衛生だ」そのような考えを持つ人も多かったことでしょう。

実は乙部家も初めての犬は外飼いでした!

私が初めて飼ったのは柴犬の「ムク」というワンちゃんでした。

祖父母が元々、外で飼っていたワンちゃんで、祖父母が高齢で面倒が見切れなくなり引きとったワンちゃんです。

当時は私も小学生だったので、「しつけ」なんて言葉は一切考えたこともありませんでした。

その為、家の前を配達員や知らない人が通るだけで吠えまくり、他人が触るなんて全くできない子でした!

家の敷地内で外飼いをし、散歩以外はおもちゃで遊ぶとかはなく、たまに話しかけるくらい。

高齢犬になってからはお家の廊下で飼い、最期は家族に見送られながら虹の橋を渡りました。

おとちゃん
今考えたらあり得ないですね・・

日本犬だけでなく海外犬が増えた

昔は日本犬や雑種を飼う人がほとんどでしたが、年々海外犬も増えてきました。

昭和の高度成長期頃は「スピッツ」が人気。

その理由は、「可愛い容姿とは裏腹に、高い鳴き声で吠えるため番犬としては最適」という理由から人気が高かったとか。
(※あくまで当時の考えるイメージです。)


1980年代後半から90年代にかけては「シベリアンハスキー」が人気を高めました。

 

その理由は、佐々木倫子作の漫画、「動物のお医者さん」に登場する主人公の飼い犬、シベリアンハスキー犬のチョビが火付け役。

この頃、日本中にチョビの名を持つシベリアンハスキー犬が増えたとか?

しかし、ハスキー犬の特徴としてはシベリア原産の犬の為、暑さがとても弱い犬種です。

そしてかなりの運動量が必要なのと、遠吠えをする特徴があることから家庭犬にはどちらかと言えば不向きの犬種だったと思われます。

「愛玩動物」が主流になり始めたきっかけ

【愛玩動物】とは
側において可愛がったり、姿や仕草、鳴き声など楽しんだり、人の生活に潤いを与えるための生き物。
犬だけでなく、猫、小鳥、小動物なども含まれます。
比較的に小さい動物の事。犬では「チワワ」「マルチーズ」などが愛玩犬の代表的で、古くから親しまれてきました。

小型犬ブームが到来

 

90年代後半からは第2次ペットブームが到来。

この時代からは大きめの犬より、小型犬がブームに。

「ミニチュアダックスフンド」「チワワ」「トイプードル」この三大犬種は今でも人気犬種トップに入ります。

当時、某有名保険会社のCMでチワワを起用したCMが流行。
目をウルウルとさせ、見つめるチワワちゃんが火付け役となりチワワが大流行しました。

その次にはマグカップに入るぐらいの小さいサイズのトイプードル「ティーカッププードル」が大流行。

このように世間では「癒し」を求める飼い主様が増加し、小型犬が特に流行った時代でした。

第3次ペットブーム

2021年代からはコロナが流行し、自宅の時間が増えたことによって第3次ペットブームが到来しました。

この頃から「保護猫・犬」にも注目されてきました。
その分、一時の暇つぶしのように飼い、生活が戻りかけてきた頃には「飼えない」と捨てる人も中にはいて、保護されるペットたちは減少から増加のきっかけにもなりました。

人間のエゴで転がされるペット達の環境は昔も今も変わらないどころか悪化していると言い切れなくもないのでは?

室内外から室内飼育が増えたきっかけ

1997年頃には中高層共同住宅標準管理規約が改正され、ペット飼育を「管理規約に定めるべき事項」とされました。

それまでは賃貸でペットを飼うことは禁止されていることの方が多く、ペットを飼えるのは戸建てに住む人しか許されませんでした。

しかし、ペットブームが増加すると共に、不動産会社でもペットと暮らせるマンションが急増。

マンションやアパートでは【ペット可】の物件が増え、賃貸でも飼いやすい小型犬ブームが再度高まりました!

ペット=「家族」と考える人が増えた

今の時代は室内でペットも一緒に生活をし、同じ空間を共に過ごすことが当たり前の世の中になってきました。

環境・健康面・どのようにしたら飼い主とペットがより良い環境で暮らせるのかを考えられる飼い主様も増えてきています。

動物のテレビ番組も増える中で「しつけ=トレーニング」にも注目されてきています。

昔は護衛や番犬としての役目でしか見られなかった犬が、今は「ペット=家族」と考える飼い主が増えたことも大きな変化だと思います。

ペットを考えたグッズが増加

ペットと一緒に暮らすことが主流になることで、ペット目線や飼い主様目線で考えられているアイテムが多数増加しています。
ご飯だけでも種類は膨大にあり、中身も犬種・年齢ごとに違います。

おとちゃん
昔なら犬にお洋服を着せる考えはあり得なかったでしょう!

しかし、今はその逆でリードや首輪・ハーネス、お洋服、その一つ一つのアイテムを選ぶのも飼い主にとって楽しみでもあり、ペットとのコミュニケーションのきっかけにも繋がります。

そしてワンちゃんにとっては室内・室外を両立して暮らす中でのケアに繋がります。

例えば、洋服でも「飼い主のエゴでは?」と思う方もいると思われます。

しかし、今の世の中、ほぼ室内で過ごす事に慣れているワンちゃんは暑さにも寒さにも免疫がその分弱くなっている傾向があります。

その為、夏場はクールダウン・虫除け・被毛が真っ黒い子は直接日を当たりにくくするように、真冬は寒さ対策でお洋服を着せたりします。

このようにペットを考えたグッズが増加したり、ペットを想う飼い主様も増加するようになり一緒に室内で生活しやすくもなっています!

なぜ、室内で飼うことがいいのか?

そもそも室内で飼うことにどんなメリットがあるのかを考えてみました!

・近隣トラブルを防ぐ(脱走・吠えなど)
・家族とスキンシップが増える(人間の生活に慣れさせる)
・側にいることで体調変化に気づきやすい
・暑さ・寒さを管理をしてあげられる
・(トレーニングしている子は)トイレを我慢させずに、いつでも排泄しやすい環境
・安心できる環境を作りやすい
…など。
外での管理は縛られた環境である為、動ける自由を奪われます。
ストレスが増し、「問題行動」と言われる行動が生まれやすくなります。
吠えやすい子は尚更、近隣トラブルの元にもなりかねません。
ですが、室内で飼っているから何もしなくてもいいというわけではありません。
一緒に生活を共にするお互いのルールを教えていく必要があります。
飼い主様はペットが室内でも住みやすい環境づくり、誤飲や怪我をしないように管理をする部分も重要になってきます!
家族とだけのコミュニケーションが多すぎても、少なすぎても「他人」を受け入れにくい子になってしまいます。
その為、毎日短い時間でもいいので、散歩がてら家の敷地以外の環境に触れ社会化を広げることが音や他人に慣れる一歩に繋がります!
おとちゃん
これは、室内・室外共通して言えることです!

まとめ

時代とともに考え方や環境は大きく変わってきています。

室内・室外、飼う環境は各家庭の環境状況によると思います。
飼うからには最後まで「愛情」を持ち、責任ある飼い方を持ってほしいと思います。

お互いが一緒に生活をする上で楽しさ、喜びが増えれば見方も変わるはずです!

>ペットシッターおとちゃん

ペットシッターおとちゃん

【資格】愛玩動物飼養管理士1.2級、動物取扱業登録:[種別]保管/愛玩動物介護士/盛岡ペットワールド・しつけインストラクター科卒業/【ペット】コーギー、猫2匹/ 2019年12月まで盛岡市内にあるペットサロン「Le terrie(ルテリエ)」ドッグ カフェスタッフ兼シッター担当で働いていました。(現在・カフェはありません)

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