猫も、犬もペットを飼っている人であれば1度は考える「避妊・去勢」問題。
犬や猫の種類や性別によって避妊・去勢をする、しないは費用などの問題点が様々。
この記事ではその問題について紹介し、「どちらがペットにとって良い選択肢なのか」を私自身の考えを綴りたいと思います。
【この記事で分かること!】
●そもそも「避妊・去勢」をなぜするのか?
●「避妊・去勢」をするべきか?
●「避妊・去勢」のメリット・デメリット
●筆者の愛犬「去勢」経験談
ペットの「避妊・去勢」とは
そもそも「避妊・去勢」とは?
避妊(ひにん)
メスの卵巣と子宮を切除する手術。 両方を切除するのが一般的のようです。
去勢(きょせい)
オスの精巣を切除する手術。
「避妊・去勢」はするべきか、しないべきか。
「避妊・去勢」問題について飼い主様の中には
「避妊・去勢」をしないことで起こるメリット・デメリット
犬猫、性別によって避妊去勢のメリット・デメリットはあります。
その問題の原点は未去勢・未避妊による繁殖行動によるものから生まれます!
「避妊・去勢」のメリット・デメリットを考えてみましょう!
「避妊」のメリット
【犬・猫(メス)避妊のメリット】
- 予定外の妊娠回避
- 発情期によるストレス軽減
- 病気予防
- 生理トラブルがない
生理トラブルがなくなる
【犬の生理は…】
通常6~10カ月頃には早くて見られます(個体差あり)
【猫の生理は…】
「生理」としての出血はありません!
そのまますぐに妊娠するのですが、妊娠するための「出血」が起こりません。
病気予防
・子宮蓄膿症
その名の通り乳腺にできる腫瘍。
乳腺腫瘍には、良性と悪性があり、特に大型犬に悪性になる確率が高いようです。
子宮が破裂し、膿が腹腔内に漏れ、腹膜炎を起こす病気。最悪、死にいたることもある。
避妊のデメリット
【犬・猫(メス)避妊のデメリット】
- 肥満になりやすい
- 手術のリスク
肥満になりやすい
避妊のデメリットとして、オス・メス共通で言える事が肥満によるリスクです!
避妊手術をすると必ずと言っていいほど肥満に繋がります。
繁殖に必要なエネルギーの消費量が減り、基礎代謝が低下することから、手術前と同じ食事量を与えると急激な肥満になる傾向があります。
食欲もいつもより増加。免疫低下や、運動不足にも繋がるので、食事管理と適度な運動は欠かさずに十分に気を付けましょう!
手術のリスク
主に高齢になるにつれての手術では全身麻酔による負担が非常に高くなります。
全身麻酔は強い薬を使う為、体力や免疫力低下の消耗が激しいです。
特に高齢になると気を付けて見なければならないことが、手術後の麻酔から目覚めるまで。無事に起きれるかがとても心配になります。
去勢のメリット
【犬・猫(オス)去勢のメリット】
- マーキング行動がなくなる(猫)
- 発情中のストレスがなくなる
- 病気のリスク軽減(オス特有の疾患)
- 攻撃的じゃなくなる
マーキング行動がなくなる(猫)
オス猫を飼う中で1番悩ませる行動が、マーキング行動だと思われます。
強い臭いのオシッコスプレーを至るとこに吹き付けて自己主張をします!
発情中のストレスがなくなる
病気のリスク軽減(オス特有の疾患)
・前立腺の病気の発症の低下
・精巣腫瘍を予防
・前立腺炎とは、未去勢のオス(特に高齢犬)や前立腺癌を発症しているワンちゃんに出やすいです。
攻撃的じゃなくなる
小犬の時は未去勢同士、オス・メス関係なく交われる子でも、成犬になるにつれて段々と自我が出るようになります。
しかし、5歳を超えたあたりから、急に男の子限定で吠えるようになりました。
去勢のデメリット
犬・猫(オス)去勢のデメリット
- 肥満になりやすい
- 免疫力低下
- 全身麻酔のリスク
※避妊時のデメリットと同様。
避妊・去勢手術の年齢制限
おとちゃんの愛犬「海(かい)くん」の去勢手術体験談
きっかけ
愛犬・海くんは9歳までは未去勢で過ごしてきました。
それは去勢のタイミングを逃してしまったこと。既に年齢的にもうできないだろうと諦め、
「繁殖をさせる機会もないし、自然体のままでいいんじゃないか」と、当時の私は今よりも詳しく調べもしませんでした。
9歳になった時、散歩時に血尿が見られました。
血尿の時もあれば、通常に戻ったりしていたので、夏場の散歩時に草むらに入ったりしていたからバイキンが入ったのかな…と様子を見ることに。
症状の始まり
ところが血尿は、なかな治らず。病院に行くこととにしました。
始めの診断では、先生も「細菌が入ったかもね」と飲み薬で様子を見ることに。
1週間薬を飲んでみても、血尿は良くならず…。海くんはどこか痛がる素振りもありませんでした。
診断と結果
病院に通院して、先生もおかしいなぁと感じ、海くんの睾丸部分を触ると…。
「あー…これは分かりづらかった」と新たな結果が分かりました。
それが前立腺炎になる前の段階だったそうです!
元々、海くんは肥満気味でもあり、脂肪とコーギーならではの短足で分かりづらかったそうです。
選択
前立腺炎になりかけと分かり、先生からの対応策は以下の通りでした。
・去勢手術をする
この時に9歳でもまだ去勢手術が可能なことを初めて知りました!
ただ、先生曰く
・去勢手術だと完全に治るが、薬よりは手術費用が少し高い
安く費用を抑えて地道に症状と向き合うのと、一時少し高い費用を支払って手術をして完全に治すか…
とても悩みました。
決断
結果的に家族と相談した結果、去勢手術をすることにしました。
薬でリスクを和らげてあげる方が安心はあります。
しかし、再発するリスクや、もっと悪化するんじゃないかという不安。
月々の通院+薬代(体重で薬の量が決まるので値段も個体差があります)で約3,000~5,000円取られることを考えると、高額費用になることは同じ事だと思い、手術を選びました。
ちなみに、
去勢手術は15,000~25,000円
避妊手術は20,000~35,000円
猫ちゃんの避妊・去勢手術の費用
去勢…5,000~20,000円
避妊…10,000~30,000円
女の子の方がお腹を開腹する手術のため、去勢手術よりも時間がかかることから少し金額が高いようです。
手術当日
翌日に何をされるかも知らず、爆睡の海くん…
立派な男の勲章ともおさらばです(笑)
手術は午後から。当日の朝ごはんは抜き、昼ぐらいからはお水も飲ませてはいけませんでした!
※胃を空っぽにすることで、全身麻酔からの嘔吐を防ぎます。
病院に行き、海くん犬人生初めての麻酔を接種…
(胃液を嘔吐してもいいように床に敷物を敷いています)
麻酔後の写真
接種して数分後にはこのように「気持ち悪…」という感じにぐったりします。
だんだんと麻酔が効いてくると、一気にぐったりとなり先生に手術台に運ばれて行きました。
手術台には捕らわれた熊のように仰向けに寝かされて、手術の準備をされていました!
手術事態は20~30分で無事に終わりました。
そこから、麻酔が切れるまで約1時間弱ぐらい安静な状態で待ちました。
若い子ですと30分~40分で麻酔から目覚める子もいるそうです。
麻酔から目覚めても混乱して暴れる子もいるそうなので、先生はそこに気を付けながらこまめに確認してくれました。
朦朧としながら意識が戻り、まずは一安心です…
病院によっては、避妊・去勢手術した際に1日ぐらい入院させるとこもありますが、海くんはその日麻酔から目覚めるとお腹を包帯で巻かれそのまま帰宅。
その日はぐったりの状態で安静にしていました。
翌日には意識も普通に戻り、ゆっくりですが通常通り動けました!
抜歯後の写真です!
手術後の変化
先生から「肥満になりやすくなるから気を付けてくださいね」と言われていました。
意識してはいましたが見事に体重増加!!
元々、大きく生まれ、骨格が太いこともありジャンボコーギーでした。
手術前は16キロの体重が、手術後には20kgにまで増加!!!
元々コーギーは食いしん坊で有名な犬種ではありますが、吸収率がハンパでなく感じます。
手術する前は、走ったり、適度に運動していましたが、手術後は一気にやる気が低下し、歩くのものそのそ…(笑)
一応、「お散歩行こうか!」と言うと、ワンワン♪と行きたがるのですが、いざ行くとウンチとオシッコしたら満足する海くん…
現在10歳で高齢期に突入。
「このままでは海くんのためにもよろしくない」と歩くのが嫌いな海くんを頑張ってお散歩に連れていき、30分~1時間かけながらのそのそお散歩しています!
まとめ
私は愛犬・海くんの去勢手術の際に「もっと若い時にしてあげていれば良かったなぁ…」と後悔をしました。
ある程度の年齢を重ねてから、海くんにとっても辛い経験をさせたと思います。
今回の経験から感じて言えることは、避妊・去勢は将来的に繁殖をさせる考えがなければ、する選択肢をお勧めします。
それは、未去勢の方が様々なリスクが大きいからです。
若いうちは健康でも、高齢期になってからは突然病気になったりもします…
それが避妊・去勢で必ずしも全てが防げる事ではありませんが、未然に防げる事も大きいです。
そして、ペットと共に出かける際には、公共の場所、施設では、未去勢、未避妊の子は入れない施設もあったりします!
愛犬、愛猫と少しでも長く一緒に生活していく事を考えるならば、進んで行いましょう!